イベントレポート

インテグレート代表・藤田氏登壇!「売れ続ける仕組みの本質」トークショーレポート

インテグレート 藤田氏

buddyzでは2015年12月1日(火)、IMC(Integrated Marketing Communication:統合型マーケティング)プランニングを専門的に実践するマーケティングエージェンシー、インテグレート代表取締役CEO の藤田康人さんをお招きしてトークセッションを開催しました。今回は、そのダイジェストをお届けします!


真の意味での「売れ続ける仕組み」づくりとは?

日本では、マーケティングと言うと、広告やPR,販促などコミュニケーション領域が中心と考えられがちですが、広義に言うと、継続的に成果を出し続けられるよう事業活動全体のオペレーションをマネジメントしていくことです。すなわち、「売れ続ける仕組み」づくりこそがマーケティングであり経営そのものなのです。

しかし、これまでの日本のマーケティングは、本当に「売れ続ける仕組み」を作ってきたのでしょうか?

最近、広告やマーケティングの世界で「インサイト(Insight)」という言葉が当たり前のように使われるようになってきました。インサイトとは、直訳すると「洞察」「直感」「発見」。消費者の行動原理や、行動の背景にある意識構造を見通した結果得られる、購買の核心やツボのこと。商品・サービスの購買までの認識転換・態度変容を生みだすには消費者のインサイトを分析し、行動や態度の奥底にある、ときに本人も意識していない本音の部分を見抜くことが重要だとされています。

ただし、消費者にモノやサービスの情報が届くまでには、そこにもまた多くのステークホルダーが介在し、多様なインサイトが存在しています。例えば、事業会社の視点に立ってみると、研究部門には「研究成果を生かしたい」というインサイトがあり、事業開発部門には「消費者のニーズに応えたい」というインサイトがあり、製造部門には「生産効率をあげたい」というインサイトがあるでしょう。営業部門は「いい位置にたくさん商品を置きたい」とか、「競合商品より目立たせたい」というインサイトがあるかもしれません。

本当の意味での「売れ続ける仕組み」づくりとは、消費者だけでなく、こうした消費者以外のステークホルダーのインサイト(本音)をかけ合わせた「マーケティング・ストーリー」をつくることだと私は考えています。

 

「伝える」マーケティングから、「伝わる」マーケティングへ

「伝える(Communication)」ことと、「伝わる(Perception)」ことの違いって、わかりますか? マス広告ありきだったこれまでの日本のマーケティングは、「伝える」ことに特化したマーケティングでした。しかし、近年のメディア環境の分析によると、ネットの接触時間がテレビの接触時間を上回っていることがわかっています(博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所調べ)。数千万ものユーザーを持つソーシャルメディアが複数存在し、スマホ・タブレットなどネット視聴のモバイル化が進んでいます。

消費者が接触するメディアは多様化し続けています。そのようなメディア環境においては、15秒スポットのテレビCMを中心とした既存広告フォーマットのみでは限界に達しており、消費者のメディア接触行動に沿い、情報を伝播・拡散していける新しい情報発信の設計やコンテンツ開発が必要なのです。これが「伝える(Communication)」マーケティングから、「伝わる(Perception)」マーケティングへ、さらには「動かす(Behavior)」マーケティングへの転換です。

 

進化するIMC(統合型マーケティング)の行方

インテグレート 藤田氏

DMPとはData Management Platformの略で、「顧客に関するさまざまな情報を集めた箱」のこと。Webサイトのアクセスログや広告出稿における実績ログなどの「各種ログデータ」をはじめ、個人情報(会員情報)、アンケート情報、購買履歴などの「顧客データ」、それから外部メディアの閲覧データ、外部ECの購買履歴データなどの「外部保有データ」といった3種類のデータを扱います。

日本でも近年、DMPの導入が叫ばれ、チャレンジしている企業も増えてきましたが、まだまだ本来の価値を認識し活用できている企業は少ないのが現状です。しかし、使い方次第ではこれまで困難だった課題解決ができるようになるのです。なぜならDMPは、「顧客に関するさまざまな情報を集めた箱」ですから、顧客を一元的に管理することで「現在の顧客」を今までより格段に深く知ることができます。さらに、社内データだけでなく、社外データと掛け合わせることで「未来の顧客」を見つけ出すことができるのです。

IMC(Integrated Marketing Communication:統合型マーケティング)プランニングにおいて、DMPを用いてデータを統合することで、さらに顧客、消費者に寄り添ったマーケティングが可能となります。IMCの進化は、広告、プロモーション、PR、eコマース・マーケティングなどの「コミュニケーション技法の統合(IMC1.0)」からはじまり、さまざまなステークホルダー(顧客だけでなく、従業員、投資家、流通業者、ビジネスパートナー、ニュースメディアなど)の関係をマネジメントする「戦略的ビジネス・プロセスの統合(IMC2.0)」と進んできました。DMPの登場によって、デモグラフィックデータ、購買データ、視聴データ、広告接触データ、閲覧データなど「各種マーケティングデータの統合(IMC3.0)」へと時代は今、進んでいます。


藤田氏には他にも、森永の新商品発売に伴ったイベントとして期間限定でオープンした「壁ドンカフェ」の事例をご紹介していただきました。

また、クリエイティブの実例として「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」に出品された動画作品を見ながら、これからのマーケティングの行方についての具体的な解説も行われ、トークのあとには参加者との質疑応答を踏まえたコミュニケーションも。とにかくマーケティング情報が盛りだくさん、内容の濃い90分でした。

<登壇者プロフィール>
■藤田康人 (ふじた・やすと)氏
株式会社インテグレート 
代表取締役CEO
1964年、東京都生まれ。慶応義塾大学文学部人間関係学科を卒業後、味の素株式会社に入社。甘味料事業部で低カロリー甘味料アスパルテームの開発・営業、ダイエットコークの製品開発などを担当。1992年、ザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を、フィンランド人の社長と2人で設立。むし歯予防効果のある甘味料キシリトールの厚生省への許認可申請などのプレマーケティングを担当。97年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛けた。キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication:統合型マーケティング)プランニングを専門的に実践するマーケティングエージェンシー、インテグレートを設立。著書に『The Real Marketing』(宣伝会議)、『どう伝わったら、買いたくなるか』(ダイヤモンド社)、『99.9%成功するしかけ』(かんき出版)など。

 

CATEGORY:イベントレポート

DATE:2015-12-26

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