イベントレポート

YouTubeで今起きていること[CODE CONFERENCE TOKYO 2015レポート]

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2015年11月10日(火)に行われたCODE CONFERENCE TOKYO 2015では、動画コンテンツに関するセッションが多く行われました。グーグル株式会社ブランドソリューションエキスパートの中村全信氏が登壇したセッションでは、「YouTubeで今起きていること」「それに基づいて企業がどのような活動をしているのか」について語られました。満席で立ち見が出た注目のプログラムを、ダイジェストでお伝えします。

 

世界が「YouTube FanFest」に注目。
動画コンテンツへの関心が高まっている

これまでは多くの方にとってのYouTubeは、「暇なときに楽しむもの」だったかもしれません。しかし現状は、みなさんの想像以上に熱狂している多くのファンが世界中にいます。「YouTuber」と呼ばれる存在が脚光を浴び、YouTubeを通じたコミュニケーションが活発になっているのです。

それを象徴するようなイベントが、日本では昨年から開始した「YouTube FanFest」です。11月に第2回目が終わったばかりなのですが、非常に多くのファンが集まり、熱狂している姿を目の当たりにできる貴重なフェスとなっています。

このように多くの人の注目を集めているYouTubeですが、実際にどのようにユーザーが動画を見ていて、それを多くの企業がマーケティングに活かそうとしているのか。そんな話をしてみたいと思います。

「マイクロ・モーメント」を活用し
消費者のインサイトを解明する

ポイントは3つあります。1つ目のキーワードがインサイトです。そしてインサイトを捕らえるための重要な考え方として、Googleでは「マイクロ・モーメント」という概念を提唱しています。前提として、人々の関心ごとが多様化し、興味も細分化する中で、企業が発信するメッセージが、ターゲットに対し企業が意図しているようにはスッと伝わりにくくなっています。その中で、彼らの生活に合わせてどういうメッセージを送っていくかが一層重要となっています。そこで、何気ない生活の中の瞬間、たとえば「何が見たい」「何が欲しい」といった具体的な意図が発生している瞬間をいかにつかむか、そこに関連性のあるメッセージをどうやって届けていくかが、マーケターに求められています。

しかし、これ、目新しいことではありませんよね。だけどなかなかできていませんでした。それを解消したのがスマートフォンです。YouTubeの視聴数は通勤時間に上がり始め、夜に向かって伸びていくのですが、実は一番ピークを迎えるのが夜遅く、寝る前の時間です。つまり、メディアとして布団の中にまで持ち込める。そんな「マイクロ・モーメント」の詰まったメディアをどう使っていくか、ここがマーケターの腕の見せ所となっているわけです。

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「3H」の枠組みで
コンテンツ制作を行うべき

2つ目がそうしたインサイトを把握したうえで、どういう動画が見られていて、それらがどう態度変容にまでつながっているのかを考えて動画制作を進める必要があるということです。ここでは、よく言われているものですが、「Hero」「Hub」「Help」という「3H」の枠組みでお話したいと思います。

まずはHeroコンテンツですが、人間の普遍的な欲求を刺激するような、多くのケースは驚きがあったり、感動的なコンテンツです。よくバズ動画が話題になりますが、実は多くのバズ動画と呼ばれるものは、驚きや感動、そしてストーリー性はあっても、メッセージが商品に落ちていないケースが多い。つまり何の広告なのかがわからないものが多い。これでは、いくら多くの人に見られても、ブランドの認知獲得などの態度変容にはつながりにくいので、注意が必要です。

また、より多くのターゲットに視聴していただくためにも、ソーシャルメディアなどで共有されることも考えなくてはなりません。その際、「作った動画に何という一言を添えてシェアされたいのか」までイメージしたうえで考えて作ることが重要です。

そしてHubコンテンツ。一方的な企業メッセージに振り向かないターゲットも多数います。その際は、彼らの日常の様々な趣味や興味関心に対して、その商品やサービスがどう生活の役に立てられるかまでブレークダウンしてメッセージを出していく。そうした企業とブランドのHubになるようなコンテンツは、ターゲットとのエンゲージメントを深めるためにも必要不可欠なコンテンツです。

さらにHelpコンテンツですが、実はYouTubeは、Googleに次ぐ世界第2位の検索エンジンなのですが、検索というのはまさに人々の欲求、ニーズの表れです。さきほどご紹介した「何かを知りたい」というこの「マイクロ・モーメント」を掴むためにも、そのニーズに対する具体的な解答が求められているのです。商品自体の使い方や、可愛くメイクするためのHow to動画などが、日本のみならず世界中で見られているのです。

 

継続的な効果測定を見越し
KPIの設定の仕方から工夫を

そして3つ目が、作った動画コンテンツをどう届けるのかです。バスらせる云々で終わってはいけません、ということですね。大事なのは、「3H」のそれぞれに役割を持たせることです。Heroは認知獲得目的、Hubは比較検討や好意度向上、Helpには購入意向の向上や実際の購入数など。つまりそれぞれにKPIをきちんと設定し、継続的に効果測定して評価できるように仕組み化しておくことが大事なのです。

YouTubeでは、一定以上の「True View」動画広告を実施した際に無料で活用できる「ブランド効果測定」というツールがあります。動画広告への接触者と非接触者を比較して、広告想起率からブランド認知度や好意度、比較検討や購入意向、そして「そのブランドをもっと知りたい」というニーズを生み出せたかを測定できる検索上昇率が一連でわかるものとなっているので、ぜひご活用ください。

このように、動画を「作って公開する」だけではなく、メインターゲットのインサイトを掌握したうえでコンテンツを制作し、さらに効果までをしっかりと見ていくことが、動画コンテンツをマーケティングに活かすために必要なことなのです。

 

 

〈登壇者プロフィール〉
中村全信(なかむら・まさのぶ)

グーグル株式会社 ブランドソリューション エキスパート。YouTubeのTrueView動画広告やGoogle Display Networkのライトボックス広告を始めとしたGoogleの動画広告商品全般およびブランド効果測定の日本市場への導入や、オンライン動画コンテンツ戦略 3H(Hero/Hub/Help) などのソリューション開発を担当。企業とYouTubeクリエイターとのコラボレーションや、広告界のクリエイターへのオンライン動画制作支援など、マーケティングおけるオンライン動画活用の啓蒙活動を推進中。

(撮影:松谷祐増)

CATEGORY:イベントレポート

DATE:2015-12-25

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