イベントレポート

カード会社発、最新ビッグデータビジネス戦略<BUDDYZ LIVE!! 2017 WINTER レポート>

磯部氏

BUDDYZ LIVE!! 2017 WINTERレポート、4回目のテーマは、「カード会社が仕掛ける、ビッグデータを活用したビジネス戦略について」。株式会社クレディセゾンネット事業部データマーケティング部長の磯部氏に、クレディセゾンの歩みと、同社を取り巻く環境の変化、そして、未来へと続くDMP戦略について語っていただきました。

<SPEAKER>
株式会社クレディセゾン ネット事業部
データマーケティング部長 磯部泰之氏

 

フィンテック革命が進む中、
単体のカード会社が描く新しいビジネスの展開とは

私たちクレディセゾンは西武百貨店のお得意様カードから事業をスタートさせた、流通系カード会社です。提携カード※1のほか、プロパーカード※2も発行していて、アメリカンエクスプレスとの提携カードのほか、同社のステイタスカード※3にも力を入れています。

※1提携カード…クレジットカード会社がその他の団体と提携し発行するクレジットカード
※2プロパーカード…クレジットカード会社が提携先と提携せずに発行するクレジットカード
※3ステイタスカード…審査が厳しく(高年収であること等が求められる)、定められた条件をクリアできる一部の人のみ取得可能なクレジットカード

私が1992年に入社した当時のセゾングループから、現在は大きく様変わりしました。グループは分散、西武百貨店がセブン&アイ・ホールディングス、西友はウォルマート、パルコはJ・フロント リテイリングというように、それぞれが別のグループ会社になりました。

そんな中、与信ビジネスも大きな変革を迎えました。今なお、フィンテック革命が進む中で、小売様や広告代理店、または広告制作といった分野の方々と連携を組んでビジネスを展開していこうと考えています。カード会社である僕らがどんな未来を描けるか、一緒に考えていける仲間を増やしたい、そんな想いです。

 

金融フィールドでありながら創造性を重要視。
日本市場における伸びしろをどう生かすか?

クレディセゾンではイノベーションと創造性を重要視しており、金融との掛け合わせを課題としています。金融業ではありますが消費者目線を忘れず、市場で街で、なにができるのかということを肌で感じながら、土日、平日の夜も含めて真剣に遊び、それを仕事にフィードバックして活かすということを会社からも期待されています。

アベノミクス以降、給与は増えているように感じますが、実際には社会保障費の出費が増えており、可処分所得は増えていません。そんな背景でクレジットの決済をどう増やせばいいのか、それが私たちの目線としてあります。

カードで決済されやすいファッションを取り巻く市場も変化しています。かつてのカードビジネスは、「百貨店でカード会員を募集する」こと、すなわちアクティブな消費者の獲得でした。しかし今は業態が多様性にあふれ、効率的にカード会員を集めてビジネスするということが昔のようには進まないと感じています。

実際のカード使用状況を見ても、日本では決済手段の割合が20%弱で、まだまだ多くが現金で決済されていることがわかります。逆の言い方をすればクレジットカードが伸びる余地があるともいえます。デジタルレコードに残るような決済の仕組みを進めていくには、ユーザーメリットのある形で様々な可能性を模索すべきだと感じています。例えばレシートを紙ではなくてデジタルで送信するといった内容です。先日サンフランシスコを訪れた時、買物を3回すれば1回はメールアドレスを聞かれて、レシートをデータで飛ばしてくれるサービスを行っていました。日本でも今後このようなスタイルが一般的になるのではないでしょうか。

 

インターネットビジネスを中心に据え
カードビジネスから新規事業発展を目指す

BUDDYZ LIVE!!

中期戦略としてはインターネットビジネスを真ん中に据えています。カードビジネスから生まれたソリューションをいろんなリソースを使って展開しようということをやっているのです。法人向けのソリューションビジネスを模索するなかで、単独で考えるのではなく、オープンイノベーションを推進していこうとしています。そして、ネット系の会社を中心に私たちが持っているデータを掛け合わせることで、なにか新しいことができると信じています。カード会社のなかでもかなり積極的に力を入れていると言っていいでしょう。

一昨年には「セゾンベンチャーズ」という100%子会社を立ち上げました。私も役員を兼ねていますが、この会社を設立した理由は「いろんな企業とコラボレーションすること」にあります。その結果、ベンチャー企業を中心に事業提携、業務提携までさせていただくケースが増えてきていますし、こういった動きを今後も活発に行いたいと思っています。

その一環として「セゾンDMP」を昨年6月よりリリースしました。目的は「会員データを集約し、リサーチ、広告ビジネス、ユーザー課金ビジネス、コミュニティ事業といった展開をすること」です。最終的には私たちのビジネスモデルを変えるところまで作り上げあげていきたいと考えています。

DMPに格納する会員データの特徴として、審査を兼ねるため、属性について非常に精度の高い情報であるという点があげられます。職業や年収、また買物における行動など、こうしたビッグデータを有効活用する方法を常に模索しているところです。

さらに、2020年に向けて、デジタルガレージ社、カカクコム社、そしてクレディセゾンで「DGラボ」という研究機関を立ち上げました。AI、バイオテック、セキュリティ、VR、ARの5つの領域で成果を出すことを目指しています。これらの分野で一緒にやりたい、なにかできないかというリクエストがあれば、ぜひコラボレーションさせていただきたく考えています。アイディアがございましたら、お声掛けいただけますと幸いです。

 

CATEGORY:イベントレポート

DATE:2017-03-15

TAG: