コラム

CMプロデューサーは制作現場の司令塔

テレビを見ても、ネットをのぞいても、CMに出会わないことはありません。

街中でさえ、CM動画が目につきます。このようなCMの制作に携わってみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。そこで、CM制作の流れを追いながら、プロデューサーの仕事内容をわかりやすく説明し、CMプロデューサーの魅力をお伝えします。

CMプロデューサーってどんな仕事?

CMプロデューサーの主な仕事は、制作現場全体を統括することです。映像監督やカメラマンといった人たちと打ち合わせをしながら、1つのCMを仕上げていきますが、クライアントが提示する要望と制作現場の提案が食い違う場合、間に入って調整役を務めるのもプロデューサーの大切な仕事の1つです。

企画段階での重要な調整役

従来、クライアントあるいは広告代理店では、企画が決定してから制作会社を選定していました。しかし、近年ではプレゼン内容が高度かつ緻密になってきているため、プレゼンにも細やかさが求められています。そのため、企画作業の段階から制作会社のスタッフが参加することが多くなっています。

CMプロデューサーは、その時に広告代理店の窓口になるとともに制作サイドの司令塔を務めるので、その質が作品の完成度に直結してきます。

CM制作では、まずCMプランナーが制作の流れを決めます。その後、プロデューサーが企画に沿って予算の計画を立てます。また、スタッフの決定も請け負うことがあります。その場合、プロデューサーは広告代理店に伺いを立て、演出家(ディレクター)を決定します。その次にディレクターと相談しながら、写真撮影スタッフや照明専門スタッフ、美術制作の職人など主要なスタッフを固めます。

こうしたスタッフだけでなく、CMによっては水滴の演出など非常に細かな仕事が必要なものもあります。こうした専門スタッフはフリーランスの人が多く、撮影前にどこまで準備するかによって作品の質が左右されます。そのため、綿密な打ち合わせが何度も行われます。

撮影は、スタジオで行われることもあれば、屋外ロケの場合もあります。スタッフの編成も機材もその時々で全く違うため、最終的な仕上がりに向けて編集の手法や素材作りを考えなくてはなりません。CM撮影においては、目指す映像に向けた撮影前の準備こそが大きなウエイトを占めているのです。

従来の撮影現場では、35mmフィルムが主に使われていました。しかし、近年はデジタルでの撮影が主流となってきています。そのため、シューティング(撮影)前からデジタル技術のプロが参加することもあります。

機材や技術は絶えず進歩しているため、良いプロデューサーになるには常に新しいものに挑戦し、取り入れていく努力が求められます。

プランナーが作ったコンセプトやCMで伝えたい要点をまとめた企画コンテをベースに、実際に撮影するカメラアングル、演技の内容、コマ割りなどを詳細に描きます。これは演出コンテと呼ばれますが、実際の撮影や編集に入る前に完成品をしっかりイメージするために必要な作業です。

演出コンテをもとにして、視聴者へのわかりやすさなどふまえながら、監督が構成を考えていきます。プロデューサーは完成したコンテで、クライアントが望むメッセージは伝わるかを判断します。

演出コンテが完成したら、各専門のスタッフと最適な撮影方法やより良い表現手段について、各セクションの立場とミーティングをします。

例えば、アニメを使用する企画の場合、デフォルメしたキャラクターや実写ではできない光の表現などの自由度に幅があります。そのため、ちょっとオーバーな動きを加えてみたり、CGを使って大掛かりな設定や表現も簡単に実現できます。

こうした打ち合わせを重ねながら、広告代理店が求めているレベルの映像クオリティを実現させ、コンテの再構成やスケジュールの調整をしつつ、CMを作り上げていきます。

演出コンテができあがると、ようやく実際の制作段階に入ります。

様々な緊急事態への対応が必要に

撮影は大別して「スタジオでの撮影」「ロケーション(屋外)撮影」に分けられます。

スタジオ撮影

大きなセットを必要とする時は、映画の撮影所を使用します。一方、商品周りだけなどの小規模な作業だと比較的小さなスチール撮影用スタジオで撮影が行われます。

スタジオ撮影では、「大道具」と呼ばれるセットを使用するのが特色です。セットのデザインは、映画の美術監督が作ったり、CM専門のデザイナーが担当したりします。

ロケーション撮影

ロケーション撮影は、天候の影響が大きくなります。現場での配置やリスクなども天候次第なのです。また、海外ロケの場合、コスト面や質の面から、制作会社もスタッフも現地で手当てする方が合理的なこともあります。

制作中も、プロデューサーは各分野のスタッフとの意見交換を何度も積み重ねます。また、実写のCMの場合だと、出演する俳優のスケジュール合わせなど、制作に関連する全ての予定管理もプロデューサーの仕事になります。

撮影当日は、「もっとこうしてほしい」といったクライアントからの要望が急遽あったり、野外では悪天候に左右されたりすることもあります。プロデューサーはそういった急な事態にも、計画通りに撮影を終えられるように、柔軟に対応しながら現場をまとめていきます。

また、動画の編集中や完成直前でも、クライアントからの意見にはできる限り対応します。ただし、スケジュールと予算には限りがあるため、その中でベストな判断をできるかどうかがプロデューサーの腕の見せ所と言えます。

仕上げは今や映像クリエイトの場に

「ポストプロダクション」という言葉をご存知でしょうか?撮影終了後の仕上げのことを広告業界ではこう呼びます。

CG、アニメーション、タイトルなど、各工程で制作されたバラバラの素材を組み合わせて1本のCMにまとめあげていくのが「ポストプロダクション」です。また、映像だけでなく、音楽やSE(効果音)、ナレーションなどの音声作業も行います。

仕上げ作業は、まず仮編集(オフライン編集)を行ってスポンサーや広告代理店に確認してもらいます。そのあとに本編集(オンライン編集)、最後に音声の録音作業を行って原版の完成となります。

このポストプロダクション作業には、とても高額な音響機材やデジタル機材、編集のシステムが必要となります。そのため、通常の制作会社ではこれらの設備を備えておらず、専門の機材を持っている会社で最後のオンライン編集を行います。

もともと、ポストプロダクションというのは、画像の後処理や画面をつなぐ編集室のような位置づけでした。しかし、最近では全く新しい画像を創造する場として見直されてきています。

また、今はデジタル編集機能が共有できることで、CGやアニメーションとの連携作業により、従来なかった高度な映像を創り出すことが可能になっています。

今後は、このポストプロダクションが単なる後処理ではなく、画像生成の中心的な役割を担うようになり、撮影は素材作りという位置づけに過ぎなくなることも考えられます。

1本のCMは、このように様々なスタッフ、技術、そしてそれらの連携によって誕生するのです。

CMプロデューサーの魅力とは

普段何気なく目にする短いCMも、映画やドラマと同じようにプロデューサーをはじめ、多くの専門スタッフと何千万というお金がかけられて制作される綿密なプロジェクトです。また、CM制作は、わずか数十秒の間に、いかに商品の魅力を伝えられるかという試行錯誤の積み重ねの結果と言えます。

提示された予算やスケジュールという制約の中で、クライアントが求めるものにいかに近づけていくかがCMプロデューサーの責務であり、この仕事の魅力と言えるでしょう。

まとめ

私たちが普段何気なく目にするCMですが、今やCMは多くの人に影響を与える情報手段となっています。

そのCMの制作には、とても多くのスタッフが関わっていて、その現場をまとめて1つの作品に仕上げていくための総指揮官がCMプロデューサーの仕事内容です。そして、CMの質の良し悪しを左右するのもプロデューサーなのです。

 

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CATEGORY:コラム

DATE:2018-09-10

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